キックボードで出かける
車輪が一つのキックボードで出かける。
なんとなくこっちがいいと思った方向に走る。
スマホも見ない。行き先を決めないから、迷うことがない。
そういえば、友達はよく一輪車で移動していた。身長の高い人だったから、低い高架やトンネルはどうしていたんだろうと、今さらながら思い出した。特にそんな話はしていなかったから、きっと普段から道路を確認していたんだろうと思い直す。私の持っている友人の記憶は、一輪車で走る後ろ姿だった。
ふと気がついたら曇り空だった。霧も出てるから、先が良く見えない。
財布も持ってきていないし、雨の準備もしていないからここで終了して帰宅しようかと考える。
目の前のコインランドリーに入る。雨が降りそうだから準備しているバイク乗りが数人いた。ここにいる人は、みな似たようなことを考えているようだ。
マップアプリを起動させる。ここは三重県のようだった。
駅に行けば何とかなるだろうと路線バスで向かう。
終点の駅に近づくと高架下でイベントをやっているのが見える。連結バスがスイスイとプロジェクションマッピングの光を浴びながら、薄暗い高架下を走っている。
本来のお客さんである子どもたちの姿はまばらだが、キラキラして美しい。
キックボードに乗りながら、景色をずっと見ていたからだろうか。「人工物の光
ってこんなにワクワクするんだ!」と、興奮している。
きっと帰宅してからこの風景を思い出しても、色あせるんだろうと思いながら、連結バスを見ている。
提供されなかった棒餃子
(夫)と中華料理店へ行く
つまみを食べたあと、シメに名物料理となっている棒餃子を2枚頼むことにした。
大将がいたので注文すると、5枚を一度に焼くから2枚だけ焼くのはできないと言われる。
もうすぐラストオーダーの時間だから、その頃には出前や他のお客さんの注文も入るだろうとふんで「後から出してくれたらいいですよ」と先に棒餃子分の料金を払った。
ラストオーダーの時間まで30分くらいある。中途半端にお腹がふくれて30分何もしないのは退屈だった。テーブルの上の食器もすべて下げられてしまった。
店内のテレビを眺めていたら、(夫)が「後ろのテーブルにいるの、声優だ。養成所で見たことある気がする」と教えてくれた。女性二人と男性一人。仕事帰りのような雰囲気。
店員たちはそのテーブルに愛想よく注文を運びに来るが、聞こえてくるメニューが「ジューシーなたたき」という生肉だとわかるもので、このまま注文を待っていていいのか不安になった。焼き物だから大丈夫だと思いたい。
ラストオーダーの時間になったが、出前もなかったようだ。大将はのんびりとテレビを見始めてるので、これはもう棒餃子を作る気がないんだなと判断して「帰りますね~」と席を立った。
会計を終えたあと、店員と大将に「棒餃子のお金はそのままですか?」と聞いたら突然態度を変えてペコペコ謝りながら、提供されなかった棒餃子のお金を返金してきた。細かいお釣りを返そうとしたら「いや、いいです」と固辞される。
そこはきっちり返したかったなぁと思いながら店を出た。
(夫)は、店の前を見てさっきの声優はスクーターで来ている。この近所に住んでいるわけではないかもしれないと推理していた。
2023/04/05 単位
周りの話を聞いていると、違和感があった。
単位が「バレル」になっている。
何の液体を量っているかわからないが、リットルでもなく、ガロンでもなく、なぜバレルなんだろうと考えていた。
2022/09/22 エレベーターから別の世界へ
降下するエレベーターの同乗者が、「ここが空いている!」と壁を蹴ると、世界が90度回転した。
這いつくばってエレベーターから脱出すると、別の世界へ入っていた。
ほぼ同じ世界だけれども、少し違う。人間はNPCで意思がない。
世界が反転しているから、エレベーターで上階ボタンを押しても地下に連れて行かれる。
地下フロアは工場だった。フロア内の階段を上り、下り、逃げながらこちらへ向かってくる人たちを窓の外へ突き落とす。ゾンビのように、意識がない人たち。
逃げていると携帯が鳴る。長く応援しているお笑いタレントからだ。元の世界へ戻る方法が分かったから合流しよう、と。
連絡のあった場所「こくさい通り」へ向かう。自分たちが異物だと悟られないよう慎重に動く。
地面に埋まっている石のオブジェを両手で同時に押すと、その人は元の世界へ戻れる。
両手が使えない人はずっと戻れないのかと思いながら帰っていく人たちを見る。
ただ、再びこちらの世界へ戻ってきてしまう人も多い。空間はまだ不安定らしい。
2022/06/08 中央線で乗り過ごす
中央線に乗っている。居眠りから起きたら遠い場所だった。
中野を過ぎたらとても遠い場所へ連れて行かれる電車だったようだ。
降りたホームの向かいへ。折り返しの電車に乗る。
本当は中野駅を過ぎたあたりの駅で、用事があったけどもう間に合わない。
仕方ないからのんびり帰ろう。
乗客の乗り降りが多く、社内は混んだり空いたりする。座りっぱなしで中野を目指す。
やや混んでいる状態で、子連れの女性が乗ってきた。
歩き始めた子どもの手を引き、背中に赤ちゃん。
就学前の長女らしい子もいる。
席があったとしても、3人の子供を連れて電車移動は大変だな。
案の定、歩き始めの子供はじっとしていられない。
車内を駆けようとするので、自分と隣にいた乗客の女性と一緒にあやしている。
女性と長女らしい子は、泣きはらしたように目が真っ赤だ。
悲しいことがあったんだろう。せめて乗車中は子守りを代わった方がいいなと察する。
3人の子どもと女性が降りていった。座席の上に、手提げの紙袋からはみ出ている本が残されていた。
本屋のカバーがついているから、新しく買った本だろう。
すでに発車しており、女性に届けるのは難しい。せっかく買った本だろうに、なんとか届けたいと考えながら、うたたねをしたり位置ゲームをしたり時間をつぶし、中野へ到着した。
紙袋へ戻し入れた本を抱え、中野駅へ届けようと考える。降りた駅の名前や、その人の特長を詳しく伝えたら届くかもしれない。
2021/09/29 始発電車で出勤する
ゆっくり座って出勤したいので、朝四時始発の各駅停車に乗って移動する。
けど座れなかった。移動中眠って夕方の出勤に備えるはずだったのに。
稽古で同じ教室の人と電車に揺られている。気づけば北区区役所前にいた。まだ正午なのに電車を降りてしまった。
職場まで歩ける距離だし、夕方まで時間をつぶせないわけでもない。けれど、予定が狂ってしまった。
デスクトップパソコンを抱えて区役所前に座り込んでいる人が、「LANボード付けられる?」と聞いてきた。LANボードがどういうものか知らないけども、パソコンを覗き込む。
PentiumⅡと書いてある。Pentium!?いつのパソコン?これを無線LAN環境にしたいの?
HDDが3枚刺さってるけど、これをどうしたいの?このパソコンから部品を取るの?と、一気に混乱する。